三重県書道連盟

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三重の看板物語⑤

和菓子  柳屋奉善「老伴」   松阪市中町

天正3年(1575)近江の国日野で蒲生氏郷公から砂糖を賜り、御用菓子司として開業。このころ安土城建設中で、義父信長公をお茶会に招くことを想定で、家宝にしていた硯( 中国の古い軒瓦)加工して型を取り最中(ふた無し)容器に羊羹を流しこみ、コウノトリ絵柄で古瓦」として売り出され、伊勢土産として全国的に知られるようになった。後に豪商三井家当主三井高敏氏により白楽天の詩の中から「老伴」と改めた。

「老伴」の文字は、津の書家市川塔南氏の揮毫。店内には商品名「老伴、越廼雪、桐葉山」などの書もある。塔南は篆隷が得意で、明治に28年第四回内国勧業博覧会で一等賞を獲得。県下に社号標や作品は頗る多い (泉)