三重県書道連盟

三重県書道連盟

三重県書道連盟は、書道芸術の研鑽や発展・振興を目的として昭和27年に設立された70年の歴史を誇る県内最大の書道団体であり、
書道の各会派の垣根をこえて結集しているところに最大の特徴がある。

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2023年9月30日
墨の昔と現在

文房四宝の1つに墨がある。古くは殷の甲骨文字の時代(約4000年前)にさかのぼり、刻字の前に原稿のような墨書もあったと言われている。また早くに「墨丸」という言葉もあった。日本おいては仏教の伝来と共に奈良時代から製造され始めたと言われている。

現在、製墨の産地は限られ奈良・鈴鹿が代表的である。鈴鹿墨の発祥は延暦年間(平安時代)とされている。墨の原料は油煙(菜種)、松煙(松脂)を始め多種である。なぜ鈴鹿で製墨業がなされたかは、松煙(紀州産)の原料が近くにあり、また鈴鹿山脈から湧き出る良水が製墨に適し手に入りやすかったこと、更に「鈴鹿おろし」の寒風が適していた。

墨造りは早朝四時からスタートし、煤にまみれて厳しい作業である。墨色は原料によって微妙に違い、油煙墨は黒茶であり松煙墨は薄青く出る。また椿や胡麻は他よりも墨色に光沢があり、仮名に適している。そして鈴鹿墨の彩墨も近年大いに注目されている。

昭和の時代、私の記憶では鈴鹿には老舗「玉泉堂」を筆頭に十軒近くの製造元があった。しかし時代とともに衰退し、現在はついに「進誠堂」一軒となってしまった。書道界においても墨液の便利さもあるが、固形墨の良さも見直すべき時代でもある。(鈴峰)

 

三重県書道連盟の歩み

History

 戦後の混乱も、昭和二十年半ばになると落ち着き、全国的に文化的な活動も始動し始めた。県内の書道界においても、三重大学の奥山錦洞先生(昭和16年に『日本書道史』刊)を中心として、三重県にも書道教育関係者の会、書作家の会を作ろうとの方向性で協議が重ねられていた。
 昭和27年3月三重県水産会館において設立総会を開き、会長に三重県知事、副会長には津市長、顧問に代議士・水谷 昇、書家・市川塔南、理事長に奥山錦洞、会員27人のメンバーで三重県書道連盟が誕生した。

1952(昭和27)年
3月に三重県水産会館で結成大会を開催、8月に三重大学学芸学部で最初の連盟展を開催、出品数102点。
1954(昭和29)年
この年より、県内の小・中・高等学校や公民館等を会場にして展覧会を開催。 篆刻部門参加。
1971(昭和46)年
組織改革により常任理事を運営委員とし、運営委員長・副運営委員長(2名)を互選。創立20周年記念展に224点が出品。「創立20周年記念作品集(20年の歩み)」を刊行。
1973(昭和48)年
機関紙『三書連報』を創刊、以降毎年一回発行。
1979(昭和54)年
「台湾親善訪問・故宮博物院見学」実施、参加者18名。 総合審査から部門別審査に変更。
1985(昭和60)年
「書の諸相展」を三重県立美術館で開催、46名が88点を出品。
1987(昭和62)年
定期総会後、創立35周年記念式典・功労者表彰並びに祝賀会を開催。
1992(平成 4)年
定期総会後、創立40周年記念祝賀会開催。前年の40周年記念作品集を刊行。
1995(平成 7)年
連盟展の会場を三重県総合文化センターに変更、503点出品。以降毎年同会場にて開催。
2001(平成13)年
定期総会後、創立50周年記念式典・功労者表彰並びに祝賀会を開催。50周年記念展開催、504点出品。50周年記念作品集を刊行。
2006(平成18)年
連盟展に「三重ゆかりの能書家たちⅠ」を併設(以降5回連続開催)。 山梨県「大門碑林公園研修」旅行を実施。
2011(平成23)年
定期総会後、創立60周年記念祝賀会開催。60周年記念展に「三重県書道連盟歴代理事長・運営委員長作品展」を併設。60周年記念作品集・三重県ゆかりの能書家たちを刊行。「台北故宮博物院等への研修旅行」を実施、参加者45名。
2013(平成25)年
連盟展に「師匠と弟子展」を併設(以降9回予定で開催中)。
2016(平成28)年
機関紙「三書連報」が以降毎年二回の発行に。
2017(平成29)年
「創立65周年記念学生書道展(公募)」を開催。
2018(平成30)年
連盟展会期中に「小・中学生による大文字体験」の実施を開始。
2020(令和 2)年
新型コロナウイルス感染症拡大により連盟展が中止(延期)。
2021(令和 3)年
創立70周年記念としてホームページを立ち上げ。
2022(令和 4)年
「三重県書道連盟70回記念展」を開催。
2023(令和 5)年
三重県書道連盟インスタグラム開設。